手術を終えて麻酔が覚めた人に、家から持って来て欲しい物がある?と尋ねた。点滴のスタンドを指さして、「物置にこのくらいのパイプが3本あるから持ってきて欲しい。弟をたたきに行くから。」手術の同意書を書いてくれなかったのがよほど頭に来たらしい。でもね、弟さんが手術の前に来た時に「済まんけど書いてくれ」と言えれば、親戚を捜して走り回ったあげく民生委員にサインを頼むようなことにならなかったのに。これから頼まないこともいっぱいあるんだよ、最後に葬式もあるし。80年以上生きてきた中には、素直になれないような出来事がいろいろあったんだろうなと思うけど、1人で死んでいくのは難しいんだよ。

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