2008年11月19日水曜日

世界一周




ガンが全身に転移している男性。自分の部屋のある2階まで上がれなくなって、居間にベッドを置いている。自宅を訪問した時、ヨーロッパの紀行番組を見ていた。この病気が治ったら世界一周の航海に申し込んでいると、楽しそうに語る本人の傍らで妻は困った顔をして笑っている。
 医者は、正月を迎えられるかどうかと言っているけど、その前に抗ガン剤や放射線治療などの医療費をどうして払おうかと悩んでいるのに、世界一周に申し込んで。キャンセル料だって高いのに。どこからお金が出ると思っているいるのか…。
 病気を治して世界旅行をしようとする意欲で生き続けているのかもしれないが、看病とお金の工面にでやつれていく家族の苦悩を見ると、長生きを単純に喜べないこの社会はおかしいと思えてしまう。

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