2009年3月7日土曜日

仏心

「いねっ」と言われた時、方言の意味は解らなかったが、険しい表情から、早々に退散した。長男は、結婚して近所に挨拶廻りしたら、行く必要ないと怒られ実家から追い出されて、夫婦して車中で夜を過ごしたと語る。早くに夫を亡くし、子供二人を育てるためにがむしゃらに働いてくる中で、性格は一層頑なになっていった。体が不十分になると、人の世話にならないと自殺を企てた。デイやショートステイを奨めるケアマネは、怒りの対象だったろう。病院で嫁と会った時、珍しく笑顔を見せた。嫁は、珍しく笑って気持ちが悪いと、笑い返した。その翌日、亡くなった。お通夜では、どんなに性格がきつくて怒鳴られたか、みんなで笑いながら話していた。

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