「医者だって、俺がどんなに辛いか分かるはずないだろう」
カウンターで職員に向かって大声で叫んでいる。職員は黙って聞くより仕方ない。決まりでは医師の診断書が必要だから、診断書は要らないと言えるはずはない。小半時間フロアー中に大声が響いていた。今日に限らず、大声で叫ぶ人が多い。
そんな人だからまともな仕事に就けなくて、生活に困るんだと言う職員が大半だ。
しかし、壁が高くて堅いほど大きな力で越えようとする。全力で押して壊そうとする。ここの上司でさえも変えられない規則があるのだ。
小さな声でも受け容れられるのなら、今日の男性も穏やかな声で自分のことを話すのかもしれない。

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