2010年4月28日水曜日

手ごわい

栄養失調で入院してから歩けなくなった男性。一人暮しができなくなって老人住宅に入所した。街中にあって、比較的自由に外出できる。車椅子は慣れていないから、出ていくときは職員に一声かけてくださいねと言うと、分かってるといい返事が返ってきた。

それから一月。本人と職員の表情が硬い。
入所した次の日、一人で外出しようとして職員から止められたらしい。

そういえば、入院中ようやく立てるようになったら、玄関前のタクシーに乗ってお菓子を買いに出かけて婦長から苦情の電話が来たことがあった。
自由気ままに暮らしてきた人は手ごわい。

2010年4月20日火曜日

価値観

ディサービスを見に行きたいと言われ、一覧と手持ちのパンフレットを渡した。自宅から通える範囲で数件ピックアップして一緒に見に行く。大規模でパワリハの器具が充実しているディ、通常規模でレクリエーションに力を入れているディ、認知症対応に秀でたディ、PT、OTが配置され、機能訓練を重視したディ...それぞれ特色を生かして 利用者獲得に工夫を凝らしている。予定にはなかったが通り道だったため 最後にもう一件ディサービスに寄ってみた。
自宅に帰り、感想を聞くと意外にも最後に立ち寄ったディサービスに行きたいと言う。機能訓練もないし、施設も古い。浴槽も昔ながらの銭湯のようだったのだか、そのディサービスが気に入ったと言うのだ。
「少し、ひなびた感じがホッとする。職員さんもエレベーターまで迎えに来てくれて 大事にしてもらえそうだ」とのこと。
利用者はまだ60代の若さだし、パワリハの充実した活気ある大規模なディサービスを選ぶだろう、とばかり思っていたので驚いた。
結局、今まで自分の価値観だけで施設を選んで勧めていなかったか...。この人に合うだろうと私が勝手に思うことが、必ずしも利用者が望むものではないと言う当たり前のことを今さら痛感した一日だった。

2010年4月15日木曜日

春だからね

「暖かくなったね。春だからね」と電話で応対している声がする。

先週のこと。桜が満開を迎えた頃。

最近、雨が降って寒い。東京で雪が降ったとニュースが告げている。

「寒いねー。まだ春だからね」と同じ職員が電話で応えている。

2010年4月9日金曜日

季節の変わり目

春が来ても、バイク通勤はまだ寒い。梅や桜の花と一緒に花や新芽の香りが気持ちがいい。マナーの悪いドライバーと、くしゃみの原因の花粉が無ければもっと楽しく通勤できるのに。暖かくなってミニスカートが増えると、脇見運転が増えて…と言うことはないが。

季節の変わり目のせいかおかしなお客さんが増える。大声で職員に文句を言っているのだが、結局はマヨネーズを買おうとして財布のお金が足りなかったということらしい。それが、市長を呼べ!政治が悪い!となると、下を向いて笑いをこらえるのに苦労する。

認知症の周辺症状も悪化するらしい。しばらく様子を見ていると落ちつきますよと、根拠のない説明を家族にすると、いつの間にか家族からの訴えは無くなる。単に、家族が慌てなくなっただけで、プラシーボ(偽薬)効果だと思う。
「季節の変わり目」はお天道様に責任を転嫁する言葉かもしれない。

2010年4月7日水曜日

困った

山の中で暮らしている老夫婦。夫は庭までしか出られないが家事は全部している。妻は急な斜面を登って行けるが認知症のため家事はできなくなっている。二人で山の間の畑を作ってきた。だから近くに引っ越してきた人は自分たちの生活に進入してきたとしか思えないのだろうか、深夜に塀を越えて文句を言いに来る。自分がかわいがっていた猫をいじめた。畑のものを盗っていった。…苦情を聞かされることになった新人さんは安眠できなくなった。
物盗られ妄想などの被害妄想のある人の援助は難しい。全く自宅に入れてくれない人の方が解決策がある。援助する人が加害者にされるから、手伝う人が減ってくる。
結局、この人が施設や病院に入って地域からいなくなるか、頭か体が弱って動けなくなるのを待つしか無くなる。いい医者がいたら、妄想を軽減させる薬を処方してくれるかもしれないが、被害妄想のある人は薬を飲みたがらないから、家族がうまくしないと家族が加害者にされてしまう。

相談を受けても、解決策が浮かばずに困ってしまう。

2010年4月4日日曜日

桜の樹の下に

花見と桜は我が家の行事。どちらも短い期間しか楽しめないが、それよりお金がかからない。梶井基次郎は、桜の樹の下には屍体が埋まっていると書いたが、そう思わせる美しさがある。満開の桜の花びらは、引っ張ってもなかなか取れないのに、満開を過ぎると風で吹き飛んでしまう。虫を呼んで受精するまでのはかない命だと考えると、桜の樹の下にあるのは世代交代を終えた人なのだろうか。
一斉に咲いている桜でなく、山の中で一本だけ咲いている樹を探したが、携帯のカメラでは限界があった。

4月4日は、3月3日と5月5日の間で「おかまの日」と新郎の挨拶の中で言ったせいか、意外と結婚記念日を覚えてくれている人が多かった。同時に、結婚式で酔っぱらった新郎の姿も思い出されるのだろう想像すると恥ずかしくなる日。

2010年4月2日金曜日

初日

利用者が初めてディサービスを利用する日は ケアマネジャーは様子を見に行く。ごく普通のことだが、利用者は知ってる顔の訪問にホッとするようだ。家では亭主関白を気取るおじぃさんも、お喋りが尽きないおばぁさんも、初日はさすがに緊張していて 不謹慎だが ちょっと可愛く見えるのをディを訪問する楽しみの一つにしている。
明日 ディサービスの開始を控えている利用者の家族に呼ばれて自宅を訪問する。「父は慣れてくれるでしょうか..?」そんなんやってみんことには わからへんやん、と言いたいのを堪えて「明日は私もご様子を見に行きますから」と言い、「職員さんに少しは用事を言ってお仕事させてあげて下さいよ」と本人に言って自宅を後にした。
家族が思うよりずっと利用者はしっかりもしているし、家族が思うよりずっと頼りなかったりもする。
「ディサービスで花見に行ってもワシは杖ついてたってゆっくりじゃなきゃ歩けない」杖ついたらゆっくりでも歩けるんだから。急いでドコに行かなきゃいけないワケではないし、ゆっくり歩くほうが景色もゆっくり見れるでしょ。
「ワシはこんな性格やのにディサービスで顔馴染みができるか」 私とはまだ5回しか会ってないのに もう顔馴染みになったでしょ。大丈夫。

まずはやってみよう。一つずつo(^-^)o