2011年1月16日日曜日

カレンダー

 認知症から一人暮らしが難しくなって有料老人ホームに入居したOさん。デイサービスを訪ねると、「久しぶりやなー」と挨拶するが、次に「誰でしたかね?」と相変わらず調子を合わせて会話してくれる。「ここは良いところでね、困ったことはなにもない」と心配させないように話す。
 年末も来たでしょう、と言うと、「そうやったかな。忘れた」とごまかさないところが性格の良さを表す。こんな老人になりたいなと思わせる一人だ。
 転居の時、人形や手紙、写真などとともに「くけ台」を持ってきた。若い時に和裁で生計を立てていたから、本当は和裁台を持ってきたかったが大きすぎて、「くけ台」になった。施設の若い職員たちは何に使う使うのか知らない。だからOさんに使い方を教えて欲しかったのだが「くける」こと自体、職員は知らない。

 年末、一人で暮らしていた生活の思いでは、本人が忘れても持っていて欲しい思いから一緒に持ってきたカレンダーは12月一枚を残すだけになっていた。だから、同じヘルパー事業所のカレンダーを掛けて欲しかった。デイでもれくで作るんだろうが、12月のカレンダーの後に貼ってねと手渡した後、職員にもお願いして帰った。Oさんは、「あんたも風をひかんようにね」と言いながらバイクに乗って走り出すまで手を振っていた。

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