彼女がディサービスに行きたがらないのはなぜか..外出を恐れるのは なぜなんだろうか..彼女の訴えの一つ一つに慎重に耳を傾けたら 彼女を支援する上で大切な何か、が見えてくるかも..などなど 最もらしく思い巡らしながら 彼女の自宅に行く。今頃 ディサービスの迎えが来ているはずだ。
案の定、彼女は体操座りで部屋の中にポツンといた。ディサービスの職員が彼女の隣で途方に暮れている。おはようございます、今日はおでかけに行く日だよ、と促してみても彼女は立とうとしない。
足が痛い、蛇が出る、姉が行くなと言った、鉄砲で狙われているから外に出れない...こりゃ困ったな(*_*)
私は信者にはならないから行かないよ、私は宗教は嫌いだから。 あー、そうか、宗教の勧誘と勘違いしてるのか、なんだ そうなんだー、とディサービスの職員と顔を見合わせた。
あのね、Tさん、私たちは勧誘に来たんじゃないのよ、ほら、Tさんのよく知るかかりつけの先生がね、少しは外に出て運動しなきゃとおしゃっていたから、お迎えにきたの...と言ってみる。・・だめだった。 私は騙されないからね、だって..(+_+) みんなが待ってるよ、今日はいい天気になるみたいよ、花の苗を植えてもらわなっくっちゃ、などなど色んな誘い文句を投げかけてみても、彼女は頑として動かないのだ。今度は二人で途方に暮れた。
そこに 心配した彼女の長男のお嫁さんが職場を抜け出して自転車で駆け付けてくれた。
やっぱり ばあちゃん、みんなを困らせてんだね、と言うやいなや、お嫁さんはTさんのズボンを後ろから引っ張って 彼女を無理矢理に立たせた。行きたくないよ、行かないよ、と抗うTさん。あのね、 なんだか宗教の勧誘と思っていらっしゃるようで...とお嫁さんに言ってみた。 あー、いいのいいの、理由はいいのよ。この人 そんなことばっかり言うんだから、ハイ、行くよ。待たせちゃ悪いでしょ。 お嫁さんは問答無用でTさんの手を引っ張って送迎車に乗せた。 その間 約30秒(*_*) わあーすごい、すごすぎる..。
..こ、こんなんでよかったんですね、とディサービスの職員と また顔を見合わせた。私たちのさっきまでの20分は ..? ゆうべから彼女を連れ出す方法を最もらしくアレコレ悩んでいた私はいったい何だったんだろう。
Tさんは送迎車に乗ると 先に乗って待っていた他の利用者さんにスマした顔で挨拶した。
「おはようございます、お待たせしました。」 いきなり別人。

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