気丈な方だった。オシャレだった。見舞いに行ったときも いつもパジャマではなく、ブラウスにスカート、カーディガンを羽織り、首には顔映りの良い色合いのスカーフを巻いていた。会うたびに痩せておられたが、自分がこんな病気になって気づかされたことがたくさんあるから、きっと無駄死にではないわ、と笑う彼女に かける言葉もなく、ただ頷くしかなかった。
エレベーターホールまで見送りに来てくれた彼女の背中の壁には『緩和病棟』の文字が 優しいライトで照らされている。「また来ますね」と言ったら「アナタは忙しいんだから無理しないで大丈夫」と 笑って細い細い手を小さく振っていた。
容態が急変して24日に亡くなったと連絡が来た。
ちょうどイヴに着くようにクリスマスカードを投函していたから 彼女の手元に届いた時には 一足遅かったかもしれない..。せっかく彼女が喜びそうな、キラキラの綺麗でオシャレなカードにしたのに..。

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