2012年5月19日土曜日

話しますか



看護師はそう言ったはずなのに、彼は紙オムツだけの姿でベッドに寝ていた。息をしていないじゃないと部屋にいる看護師に尋ねたかったが、心の中で挨拶して手を合わせた。



先週この部屋で退院の打ち合わせをしたのに。実習を終えた看護学生に、「あなたたちは若いね。これからたくさんの未来があるから」と励ましていた。退院後の希望を尋ねたときに、奥さんが脇から介護用ベッドや訪問看護と言い始めたら、「そんなことか」と言って色々な希望を話した。本当は、もっと長生きして、こんな事やあんな事をしたいと言いたかったのかもしれないと後で考えた。
もっと話したかったですね。
看護師はそう言いたかったのかもしれない。

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