家族に頼まれ、ショートから帰るのを利用者の自宅で待つことになった。鍵を預かっていたので 空気の入れ換えをしていた。この家には私の苦手な犬がいる。愛想がよく 足に纏わり付き、膝にすぐ乗ってくる、そして鼻息の荒い犬だ。フニフニフニフニと家の中をついて回る。私にも慣れてくれている、が・・・臭い、とにかく臭い(-_-) 彼がいるお陰で この家はペットショップ・・いや、動物園の臭いが立ち込めている。彼が出ていかないように シルバーカーをドアの開いた部分に挟め、気休めとは思いながらあまりの臭いに玄関を開け放してみる。 畳は所々が彼のトイレになっており、下手に踏むと足裏が濡れる。爪先立ちで歩きながら 家の中に干された洗濯物を片付けていた。 ふと気づくと フニフニ君がいない。 え?どこ行った? 彼の名前を呼んでみるが 返事はない。(元々返事はしないが・・) 玄関を見ると シルバーカーが少し傾いている。 あれ? もしかして脱走したか? でも塀で囲まれた家だから 敷地内にはいるだろう、と 裏庭に行く。
彼の名前を呼びながら裏に行くと・・げっ
、ヤバい・・裏は塀がないやん(@_@) 裏庭は いきなりヨソの家の敷地に続いていて そこには塀はなく、遥か遠く大通りまで見渡せる。 冷や汗が出始めた。 ヤバいヤバい・・フニフニ君が脱走したのは仕方ないとしても、この暑さの中、あの暑苦しい彼を探さねばならないのかと思うと 途方に暮れた。 このシルバーカー、全然役に立たないやん、と本来とは違う用途に使っておいて シルバーカーのせいにしたりして しばし現実逃避を試みる。 やだ、探しに行くなんて面倒くさい〜・・三分ほど放心状態でいたところに 荒い鼻息が聞こえてきた。 フニフニ君が帰ってきたのだ。 やだー、もう〜、ドコ行ってたのよ〜。ビックリしたじゃない。心配したんだからね〜と彼を抱き締める。 うわ、汚い。 どっかでまたオシッコしてきてる。 臭い〜。
ただいま、と言った(気がした)彼を初めて可愛いと思えた。そうだ、アナタとも もう三年の付き合いになるんだもんね。汚くて臭いけど 仲良くしてくれてありがとう。

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