2013年11月12日火曜日

母親

kさんはまだ43歳。20歳の看護学生の長女から下は小学校5年生まで4人の子供がいる。脳梗塞になって、アルコール中毒の妄想が出て精神科に入院していた。妄想が消えたので介護保険でリハビリをしたいからと担当することになった。
自宅に帰って半年、昼間も焼酎のパックがテーブルの上にあるようになった。食事も取らず、台所に立つと転倒することが多くなって受診。肝硬変の一歩手前と言われてアル中病棟に入院した。夫は、事業で失敗して自殺。頼りにしていた母親は骨折して手伝いができなくなっている。夫の保険金は底を突き、多額のローンが残っている。半身麻痺は良くならない。中3の息子は学年最下位の成績…現実逃避したい気持ちはよくわかるが、肝硬変になったらもっと困る。
入院してもつまらないから、退院する。子供たちが反対するなら生活費は渡さないと言い出したから医者もあきれかえってしまった。
「あなたは母親として失格だ」という医者の言葉に、「私は母親になりたくなかった」と答える。
アルコール依存症と闘う姿を見せることが、一番母親らしいと思うんだけどね。



2013年11月10日日曜日

ななつ星


水曜日の昼、あの「ななつ星」が町を通過する。線路の脇にあるデイサービスでは、毎週水曜日の午後は線路脇に並んで手を振るのがレクリエーションになった。30㎞で近づく列車からは運転手さんはいつも笑顔で手を振って、汽笛を鳴らしてくれる。感激して涙を流す利用者もいる。
天皇陛下の列車みたいだ。お客さんが手を振ってくれた。来週は旗を作ろうと言いながらデイに帰って行く。
私は、水曜日の12時から14時までは、仕事をさぼって「ななつ星」の追っかけをする。

2013年7月24日水曜日

ミッキーマウス

Nさんは、古い家の2階で倒れているところを発見された。大家の通報で救急車が来て助かったものの脳梗塞で右半身が麻痺し、胃瘻の生活になった。気管切開の影響と口が麻痺し話が聞き取れない。点滴や血液検査では、医師や看護師が大きな入れ墨に驚く。両手の小指もない。担当の生活保護ケースワーカーは滅多に会いに来ない。野戦病院のようにカーテンで区切られた宅老所で面会すると、母親や弟に会いたいと紙に書くが、記録の上ではとっくに亡くなっている。痰が詰まって、仕方なく入院した。入院のための準備は、なぜかケアマネに任された。以前入院したとき、施設が女性用の下着やパジャマをもってきたのを咎めたから、施設は関わりたくないみたい。その時、私たちは、スポーツ用の靴とミッキーマウスのパジャマを小遣いから買ってもっていった。病気が良くなってきて、本人はしきりと退院したいと言い始めたころ、夕方病院から手術中に亡くなったと電話が来た。生活保護を受けて身寄りのない人の葬儀には慣れていたが、お通夜に行っても住職しかいない。線香の灰が一本残っている。手術を担当した医師が来て、一人で手を合わせていたと聞いた。棺の中の彼は、ミッキーマウスのパジャマを着てはにかんでいるように見えた。

魔法をかけて

あのね。聞いて欲しいことがあるんだけど、と始まる電話を出勤してすぐに受けるとその日1日仕事のつきが無くなってしまう気がする。小児麻痺の姉に対する愚痴が続く。自分が持って行った服をデイで他の人に渡している。無くなった義弟の香典でビールを買って飲んでいる。妹夫婦がアルコール依存症になってどんなに苦労したのか、延々と愚痴か続く。大変だったんだよね。両親は小児麻痺の姉ばかりかまって、妹は放って置かれたのに自分だけが苦労して、今も妹に意地悪されると言いふらされて悔しいのもわかる。今度ようやく養護老人ホームに入ることになったけど、自分は嫌なんだけど妹に迷惑をかけないために我慢しないとねと係の職員に話したのも恥ずかしい。
 聞くしかないんですよね、僕らにできることは。でも、魔法をかけて仲良くなれるのなら良いのにと思いながら、子機のバッテリーが切れるまで我慢。

2013年6月8日土曜日

マイブーム

実家から手作りの梅ジャムが届いた。
...が、鬼平犯科帳スペシャルをやっていたから、電話をするのは後回し。
昔 母がよく観ていた頃は どこがそんなに面白いのか理解できなかった。母は 中村吉右衛門扮する鬼平のキャラクターに どっぷりハマっていた。
こんなオッサンの どこがいいのか(-_-) だいたい母とは好みが違う。強いて言えば、必殺仕事人の中条きよし扮する..あれ?なんだっけ、三味線の糸を道具に使う人、なんとか言うあのキャラクターには二人して参ったものだ。
平蔵を堪能してからお礼の電話をかける。
梅ジャム、美味しいでしょう、あれは手間が かかるのよ、と どんだけ大変か 延々と説明する母。うんうん、と ひたすら相づちを打つ私。やっと気が済んだのか、ふと母は、なんで荷物が着いたら すぐ電話して来ないのよ、と言いだした。
鬼平がスペシャルだったからさぁ、と言うと まぁ私も観てたんだけどね、と笑う母。
アナタ、前は鬼平なんか好きじゃなかったのに、やっぱり年取ってきたら あの良さが分かるようになったね、と人がいかにも老けたように言うので、でも 一番好きなのは福山雅治よ、と返事をする。
えー?福山雅治?うわ、アナタ あんなナヨナヨした男がいいの? きゃー、お母さんはあの人嫌いよー。

エーッ!Σ( ̄□ ̄;)この世の中に福山のこと、嫌いな女子なんかいるのかー!!

お母さんはね、だいたい あまり顔が綺麗な男性は好きじゃないの。男はね、顔じゃないわよ、ね?パパ?
と電話口の向こうにいる父に呼び掛けている。 ちょっと失礼やろう( ・∇・)

お母さんはね、渋い人がいいな。

ふーん。渋い人ねぇ?

例えば...綿引勝彦とかさ。いいわね。

渋すぎるやろう!Σ( ̄□ ̄;)

2013年5月24日金曜日

宝くじ、いつ買うか?今でしょ!

つい最近 春が来て、いつのまにやら もう初夏である。今日は半袖のプルオーバーにスカートと言うラフな服装。まぁもともとラフな服しか持っていないけど。
新年度に入って何故か(年だからに決まっているが)身体の節々に異常を感じる。胃潰瘍から始まり、先日は ぎっくり腰もどきになって、腰痛の辛さを初めて体験した。腰痛は利用者の訴えでも特に多い症状だが、自分が経験してからは『わあ、ほんと腰が痛いのは辛いでしょうねー』と慰める台詞に心がこもるようになった。そして 先週からは歯医者に通っている。医療保険証なんて使うことなかったのに...。
久しぶりに会ったドクターに『わぁ、歯石あるじゃん』と言われ、『すみません、お金溜まらないから 歯石溜めちゃった』などと汚ないギャグを言いながら診察台に座る。
衛生士のおねーさん、体格がいいから怖い。『はい、開けて下さい、閉じて下さい』と言われるたび こちらも 『ハイ』と律儀に返事をする。感じよい患者さんだったら 優しくしてくれるかな、などと淡い期待があるのだ。 その心配はなかった。オネーサンは公平な人だった( ̄ー ̄)
そして来週は再び内科に行かねばならない。胃薬がもうないので取りに行かねば。机の中には 他者から回ってきたロキソニンやアリナミンやレンドルミンが何故かあるのだが、タケプロンはない。あーまた病院かぁ。もう痛くないし、要らないんじゃないのん?と思うが、ドクターには2か月間飲むように言われている。私が面倒臭がるので、夕食後は 家族に『飲みなさい』と手渡しされて飲み込むまでを監視されている。アセスメント表なら服薬に関して一部介助にチェックが入るところだ。
今年は数年に一度の当たり年の巳年だから、年女の私には特に恩恵があるから 私と仲良くしてたら恩恵のおこぼれがあるらしいよ、と豪語していた罰が当たったのかもしれない。

2013年5月4日土曜日

Mother'sday

三年前に母の日に贈ったクレマチス、今年も綺麗に咲いたとパソコンのメールで送ってきた。母は もっぱら観賞専門で 世話をするのは父の仕事のようだ。
去年は紫陽花も贈ったし、今年は何がいい?フリージアの寄せ植えでも?...と母に問うと、花はたくさんあるからいいわー、毎年送ってくれるのは全部まだ咲いてるもん。今年は服がいいなぁ。
ぬぁんと!服とな( ・∇・)
選んで貰うと自分では買わないようなのが届いて嬉しいの。ちょっと派手かな、といつも一瞬は思うけど、着てみたら案外似合うのよねぇ。
彼女は最近では23区がお気に入りだ。そして彼女は今年、後期高齢者だ。
選らんであげるわよ、絶対自分では買わないような、でもきっと似合う服を、ね。

2013年4月18日木曜日

最初で最後!

喉を管が通るときは さすがにゲボッっとなるけど、喉元過ぎたらなんとやら、あとはモニター見ながら先生の説明を聞いてるうちに終わりだよ。

...嘘だった。モニターどころか、ドクターの顔も見れんし。管を自分で引っこ抜くのを何とか抑える理性を保つのにやっとだった。

はい、飲み込まないでね、カメラは僕が入れるからね。

無理やけん、嚥下反射に逆らえないけんー。

はい、頭上げないでー、力抜いてねー。

無理、この際、頭上げるのも不随意運動だわぃ。

はい、組織採るから息止めてー。

もう息してんだか、止めてんだか自分ではわかりましぇん!!

検査後の画像の説明で、採取した組織に気になる形態があり、30%の確率で悪性かもしれないとドクターから言われたが、検査が終わった安堵感で もうそんなことはどうでもよかった。
検査前、80だった血圧が120まで上がっている。看護師さんが、『血圧、通常の人くらいの数値になりましたね』と少し笑っていた。

2013年4月10日水曜日

コニーさんと仲良し

スマホにした。たいていの人が言うように、初めのうちは 機種変したことを悔やむものだ。私も とことん後悔した。だいたいアプリって何?の世界から始める。私以外の家族は全員スマホだったから 操作は逐一教えてもらう。ラインゲーム?面白いのか?娘にインストールしてもらい、やってみた。...全然おもしろくない( ̄ー ̄) こんなん いくら暇でもやろうと思わんし( ̄O ̄) 誰だ、こんなんで100万超えのスコアなんか出してるアンポンタンは..恥ずかしいヤツ...
あれから2ヶ月が経ち、私のスコアは180万を超えた。人間、面倒でも まずは興味を持つことが大事だ。意外な自分の特技を発見できたりする。意地になって薬指の指紋がなくなるかもしれないが...(。>д<)

2013年4月8日月曜日

カッコつけしぃ

今すぐに来て!私がたまたま来たら転んだみたいでベッドの横に寝たきりになってる!と焦った声で電話が来る。すぐ来て!を連発する世話焼きの親切な近所のおばちゃんは日曜日であることを忘れているようだ。今は事務所じゃないからすぐには無理だと伝え、『どんな様子?頭打ってる?意識は?』すると電話の向こうでKさんの声がする。『とにかく来てよー起きれないわ 自分では。おなかすいたー』わりかし大丈夫そうだ。『今日は寒いからお布団だけかけといてあげて。今からしばらくしたら行けるから』
駆けつけるとベッドとタンスの狭いスペースにはまりこんで寝ていた。『ドコで寝よん〜(笑)頭打ってない?』『このリハビリパンツ、ボロや。漏れ漏れや』『だって片足に両足を突っ込んで履いてるから腹巻き状態やで。用も成さんわぃ』起こして立ち上がらせ、トイレに連れていく。
『だから四点杖があるやろう?家の中でも使うようにってドクターにも言われたじゃない。コケたら大変なんよ』と言いながら腹巻き状態のリハパンを脱がせる。『ちょっと待ってて、熱いタオル持ってくるから』と台所に行きお湯を沸かしていると、下半身裸のまま よろよろとトイレから出てきた。
『わあ、だから歩くときは部屋の中でも四点杖使って』と言うと『あんな腑が悪い(カッコ悪い)もん、使えますか!』と彼女は強情だ。そこへ世話焼きの近所の親切なおばちゃんがのたまう。『あんた、そんなパンツも履かない格好でよろよろうろうろしておいて、そっちのほうがよっぽど腑が悪いわ!』 おばちゃん、ナイス(* ̄ー ̄)

2013年4月7日日曜日

桜の花の満開の下

『母が死んだら報せて下さい、葬式はしなきゃならないから』と以前から言われていた。
朝 ヘルパーが訪問したとき様子がおかしくて今救急車で運ばれた、と電話すると『何か急ぐ書類がありますか?郵送して貰えたら助かるけれど』と返事をする実の娘。ドクターが電話口で 心臓マッサージしますか?力強くマッサージすると彼女の肋骨が折れて痛い思いをさせてしまう。家族さんが来るまで持ちませんよ。
結局間に合わなかった。十数年会えなかった実の娘に彼女は仏さまになったらやっと会えた。
『エメラルドにダイヤをあしらったネックレスが見当たらないけど、どこにしまいこんであるかわかりますか?』と電話してきた。『晩年の母はどんなふうだったか』とは一言も聞かず...家族にしかわからない確執があるから、私が娘たちに腹ただしさを覚えるのは筋違いだ...。
彼女がわがままで意地悪なのは知っていた。ヘルパーさんも訪問看護師さんも どれだけ彼女に泣かされたか分からない。それでも9年の付き合いだったから、彼女に会えなくなるのは淋しい。入院も入所も嫌だと言っていたから、希望通りの最期だったのかもしれない。
そう、彼女は 仏さまになって娘を許しているだろうから。いや、もうとっく何年も前から許していて 本当は会いたかったんだよね。
週末は花見に行こうと言っていたのに 行けなかった。去年は風邪ひいて花見に行けなかったから、近所の方にもらった桜の枝を部屋に飾ってあげたら嬉しそうにしていたっけ。94歳、独りで気丈に生き抜きましたね。救急処置室で まだ体温の残る彼女の髪を撫でた。お疲れさまでした。向こうに行ったら独りじゃないよ。おとうちゃんが待ってくれています。

2013年3月24日日曜日

眠れない

Tさんは、グループホームでは眠れず近くの精神科でも眠れないので仕方なくここの認知症専門の精神科病棟に来た。入院してから3日間、全く眠らず勝手に動き回るから看護師ももてあまし気味。息子さんからの相談があってTさんに会いに行った。
農業をしていたがタバコの吸いすぎで肺気腫になってから農業をせず、眠たいときに寝て、食べたくなったら夜中でも食べていたことを聞くと今の生活は、変えなくても良いのではないかと思いつつ本人の希望を尋ねた。
また、畑を作りたいですかと聞くと、
「長男はNTTで、次男は市役所、三男は県外にいる。あんな息子たちが農業できるはずがないやろう。だといって、わしが酸素ボンボをかついでトラクターに乗っていたら、立派な息子が3人もいてあそこまでせんといかんのかと近所の人から笑われる。」
今困っていることはなんですか?
「眠れんのが一番やな。薬を飲んでも目が冴えて困る。」
どうしたら眠れると思いますか?
ここでは、何もせんから疲れんし、薬も効かん。一番効くのは焼酎かな、と笑う。

看護師長に本人の希望を伝えると、ここではね……無理かな。でも試してみたいからドクターと相談しますと言ってくれる。

2013年3月23日土曜日

グルメ

まあまあ、よくいらっしゃいました。昨日から用意してたのよ。冷やしておいたけど、今日は暖かくなったからよかったわ。
おかまいなく、と私が言っても鼻歌まじりで何かいそいそと準備している彼女には聞こえていない。さ、召し上がれ。
うわ...(°▽°)もしかしてこのドロドロした半液状の白いモノは、もしやPGソフト?...なわけないよね、もしかしなくても甘酒〜(。>д<) ひえ〜。コップにタプタプ..200ccはありそうだ。
高齢者の家に行くと色んなモノが出てくる。目の前に出されたら断るワケにもいかない。先日は いきなり チャンポンが出てきた。えっ、いいよいいよ、こんなことしてもらったら罰が当たるわ、と言うと、もう作ったから食べてくれないと麺が伸びるから、と言われた。作る前に聞いてくれ〜と思いながら食すると、うまd=(^o^)=b 美味しいやんか。もう亡くなったが、利用者さんの家で出されたカレーうどんが忘れられない。かつおの出し汁をベースにバーモントカレールーを入れていた。肉の変わりにコンビーフ。あまり衛生的な家でなかったのだが、わざわざ用意してくれたので じやあ少しだけ、と一口食べて うまd=(^o^)=b おかわりをもらった。今まで食べたミートソースパスタで一番美味しかったのは、これまた利用者Eさんのお宅だ。Eさんも今は亡くなったから、もう二度と食べれない味なんだろうな。だけど、甘酒は嫌いだ。
コーヒーはブラックよね?と言いながら、なぜ砂糖を入れてくるんや。ミルク入れなきゃブラックと勘違いしとんかなぁ( ̄ー ̄)
最近、Kさんが炒飯を作ってくれた。レタス入れたら美味しいんよ、と言う。わぁ、やるじゃん、今風やね、と思いながら皿を見ると、レタスしか入ってないし( ; ゜Д゜) ヘルシーでいいね、と言うしかない。

2013年3月10日日曜日

2013年3月8日金曜日

集会

夕べは、ある宗教団体の支部で会合に参加してきた。支部長と東京から来た偉い人のありがたい話があって感激した。

こう言うと怪しい話に聞こえるが、田舎のお寺で落語会があって聞いてきただけの話。
高校の同級生が住職をしているが、落語が趣味でプロの落語家の前で、説教ではなく落語を披露するという身の程知らずです。香川県ではお医者さんが落語会と自作の歌を毎月披露していましたが。

かように、言い方で全く違う印象を与えてしまう。
だから、私たちが本人や家族からの話を聞くときは注しなければという事になる。

2013年2月26日火曜日

きんかん

夕方 Jさんから電話がある。
ヘルパーさんをよこして、猫の餌がないのよ。
そのためにはヘルパーさんに行って貰えないよ。Jさんの買い物があるなら明日ヘルパーさんに行って貰うから猫ちゃんには今日は ちょっと有り合わせで我慢して貰ってね。
今は妥協案を言うと納得してくれるが、彼女の認知症は進んでいるなぁ、と思う。数日前は今日はヘルパーさんが来てくれなかった、と電話が来た。買い物のレシートに今日の日付があるでしょう、と説明すると納得した。でも『忘れた』とは認めたくないらしい。
私が寝ている間に来て黙って帰ったんだわ、とレシートを見ながら言う。
何を買うか聞いてから買い物をしてるから それはないと思うけれど、ゆうべ余り眠れなかったんじゃない? お昼間にボーッとしちゃったのかもしれないね。
そうそう、そうなのよ。私は認知症じゃないからね。ゆうべ眠れなかったせいだわ。
じゃあ今夜は早めに寝て下さいな。
先週の通院でアリセプトが増量された。朝一回飲むことが彼女に理解できない。自分の薬は飲み忘れても猫の餌は忘れない。そして黒電話を回すとき、ウチの事務所の番号だけは暗唱して覚えていて電話してくる。
きっと明日の朝の送り出しのヘルパーさんが行くまで ディケアに行く日だとは忘れているだろう。
私は迷惑ばかりかけて気ままを言うから ごめんやけど、でも ある程度迷惑かけないと貴女も仕事にならないやろうしな。
ハイ(+_+) そのとおり。こないだ私がフォローで言った言葉、しっかり覚えてましたね。

2013年2月24日日曜日

チョコ

昨年夏、認知症のあった女性が脳梗塞で半身麻痺になった。病院食を食べようとしないから医者は胃瘻を作ろうと勧めたが、ヤクルトは飲むので医者とけんかして退院させた。その後、MSWの探してきた有料老人ホームに入所させたが、認知症は動物だという管理者に反発してショートステイさせている。職員は、いつも誰かが寄り添ってくれたせいで、右麻痺はほとんど無くなった。以前は「四つ足は食べない」と言っていたのに、肉でも牛乳でもおいしいと食べるようになった。まだありませんかと催促するから、大盛りで食事を出してくれる。最近、話が繋がるようになったと連絡があり訪問した。
食事を前にして機嫌が悪い。四つ足は嫌いですと、肉をはき出している。バレンタインでもらったキスチョコを渡すと起用に包みをむいておいしそうに食べる。そしてもう一つ下さいと手を出す。相変わらず食欲は旺盛だと言い名川渡すと、これはあなたにあげると差し出してくれた。
今年はあまりチョコをもらわなかったが、一番うれしいプレゼントだった。

2013年2月1日金曜日

復活

春からの月9で ガリレオが再び(T_T)V 原作にはない相手キャラがちょっと気に入らないが・・。
半強制的に入院になったN氏、会いに行くと いきなり怒鳴る。『アンタはケアマネのくせに僕が無理矢理入院させられて助けようと思わんのか!!』 『アンタ ケアマネのくせに何をしてるんだ!すぐ迎えに来るのが筋だろうが!』 『アンタ ケアマネのくせに・・なんたらかんたら』あーうるさい(-_-) だいたい自分が透析を休んでばかりいるから入院になったんやろが・・あん?自分が悪いんやろ?なぁ じいさん(-_-)?・・・と言いたいのを抑えた。 まぁまぁまぁまぁ お体に触りますから大声上げないで、と言いながら10分ほど彼の怒りの的役をする。慣れているので別に苦ではない。ただ、病院内なので周りに迷惑だ。所々で『じゃあケアマネ変えたらは?』みたいな主旨(私の希望でもある)を言ってみたりもする。
なだめたりすかしたりしながら30分ほどが経ち、N氏は 更新の申請書にサインして 『ありがとう 手間かけるけど市役所に出すのは頼みます』と言う。最初からそれでいいやん、なぁ?じぃさんよ(-_-)?・・とは言わず、『了解ですぅ〜♪』と半ばヤケクソのように女子高生みたいなノリで返事をして病室を後にする。手を振ると ちょっとだけ手を挙げたN氏。
猛獣と戦ったあとのようなドッと疲れた、でも何故だか清々しい気分で病院を出た。と言うより病院を出たとたん、清々したと言う方が正しいのか・・(?_?)
『ケアマネのくせに・・』が耳に残る。

2013年1月26日土曜日

過去

83歳の女性。長女から相談を受けたのは昨年の夏のこと。毎日国道を渡って高台にある運動公園まで散歩に行く元気な認知症。娘のためにご飯を作っていますといいながら、コンロは全く使った形跡がない。私にはまだ早いと、デイへの誘いは断られっぱなしだった。
年が明けて、次女が近くのデイに連れて行った。認知症ケアの専門の資格を持っている管理者がいるからと勧めていたデイだったが、そこの相談員から事ら利の電話が入った。
若い頃の不倫の相手の妻が通ってきている。 他の利用者も気付いているのでトラブルを防ぎたいとのこと。
40年前、妻のある男と不倫関係になった。相手の妻は、夜這いの日に警察に通報し男は逮捕され拘留されたとのこと。新聞にも載り60歳過ぎの人なら誰でも知っているとの話だった。覚えていないのは、認知症になった本人だけなのか。娘は、知っているのだろうか。尋ねるわけにいかず、デイの定員がいっぱいになったからと、遠くのデイを勧めた。
女性と同じ敷地に住む義兄夫婦が距離を保ったつきあいをしている訳が理解できた気がした。夫は7年前に亡くなったが、40年前からどのような気持ちで住み続けたのだろうか。

2013年1月23日水曜日

何が正しいねん

認知症が始まった男性が退院して入所した有料老人ホーム。1ヶ月経ったら寝たきりになってしまった。大声で職員を呼ぶ。勝手にベッドから降りようとした。壁をたたいた……そのたびに精神安定剤や抑うつ剤が増えて、今では胃薬と下剤とともに安定剤を5種類飲んでいる。薬の影響ではないかと、一時的に薬を辞めてリハビリしようと提案すると、施設の管理者は、転倒するか薬を飲むかどちらかを選んでくれと言う。息子と妻は、今はおとなしくなって安心している。医師は、骨折したら誰が責任を取るのだという。
ベッドを手すりで囲って薬でぼんやりさせることがみんなの希望なのか。
ケアマネが最も落ち込むのはこんな時だ。

2013年1月6日日曜日

お父さんが

また義母の話。
「お父さんが出て行ったきり帰ってこないの。さっきまで座って話していたのに、ちょっと出てくると言って玄関に行ってから、帰ってこないんだけど、どこ行ったんだろうね」
数分おきに電話が来る。
そんなに夫のことを愛していたかというと、そうではない。むしろ、嫁いできたことを後悔していた義母なのになぜ夫の幻覚を見るのだろうか。
「ペコロスの母に会いに行く」でも、「さっき、父ちゃんが訪ねて来なったばい」という父ちゃんには、酒癖が悪くて苦労させられたはず。
昨年、担当していた人が数人亡くなられた。とっくの昔に夫が亡くなったり、入所してから数年会っていない人もいる。
「亡くなられたお父さん(お母さん)が夢に出てきた」とか「夢に出てきた」という認知症の人の配偶者は、褒められた人ではないことが多い。子供たちは、生きてるときは父ちゃんが死んでくれれば…と言ってたじゃないという人もいる。

仲が悪かった方が記憶に残っているのだろうか。それとも憎んでいた相手を許すために美化されて思い出すのだろうか。

2013年1月5日土曜日

今年も あと360日

高橋大輔王子がソチ五輪で引退を表明した・・。あと一年しかない。
まだ正月5日めにして たぶん2013年一番のショックになるだろうことが既に訪れた(:_;)

2013年1月4日金曜日

工作は苦手だけど・・

また彼女から転送電話が入る。独り暮らしだから出ないわけにはいかない。たぶんいつものパターンだ。
「もしもし、エアコンのリモコンがおかしいのよ。壊れたみたい。見に来て」 あ、やっぱり・・またかぁ(-_-)・・・まぁ 転倒したとか具合が悪いとかじゃなくて一応はホッとするけど。簡単な操作だよ、と電話口で説明しても 彼女は『見に来てもらう』のを前提で電話してきているので 説明を聞いて自分で解決しようとする様子は全くない。押し問答してる時間を考えたら 車で走ったほうが早そうだから 結局駆け付けることになる。
んもー、これから鬼平犯科帳 観ようと思ってたのにー( ̄▽ ̄;)
ピッピッピ! ハイ、終了。用事は3秒で終わる。 「え?今 どうやった?」 彼女は私が魔法でも使ったかのように感心している。どうやったって・・何度も説明してるやん〜。 「切替のトコは押さないでね。赤いボタンだけ触ってね」 「私が下手くそだから迷惑かけて・・私が下手なんやね・・」いや、ボタン一つだから上手いとか下手とか言うモンでもないんだけどさ・・・。 彼女が新品のリモコンに細工するのを見栄えが悪い、と嫌がってたからカバーはしなかったが 他のボタンを押さないようにするのに今夜はやっと了解してくれた。「明日 もう一度来て、カバーをつけるね」と約束する。あーやれやれ、早く帰って平蔵観なきゃ。
帰り際、寝室(兼居間)から玄関に行くまでに通る台所のエアコンが点いている。 「あれ、つけっ放しになってるよ」と言うと 「来てくれたときに寒いだろうから点けておいたの」と言う・・(:_;) ばぁちゃん、ごめんね、着信見て(うわ、ウザい)とか思ったりして・・・と心の中で謝った。
「じゃあ 台所のエアコンは消して帰るよ」と リモコンを見たら こっちのはドライに設定されてるし・・・(+_+) リモコンのカバー、二つ作らなくっちゃ・・。

2013年1月3日木曜日

正月


正月だというのに、救急車の音が絶えない。近所に総合病院があるからだろうが、寒空に響く。
気になって、入院中や、身寄りのない利用者をのぞきに行って安心する。ベッドで、か弱い声で帰りたい。世間は正月だというのに…と言われると、年を越せたから良かったじゃないと慰めにもならないことを言って後にする。
年末訪問したおばあちゃんは、1週間もMさんに会えないのは辛いと言っていた。デイの職員の中でMさんは特別、イケメンで職場のトップだと信じている。南方系の顔は、農耕時代にはもてる存在だったかもしれない。棍棒が似合うPTさんだ。
妹とけんかしてお節を持ってきてくれないと言ったと落ち込んでいたおばあちゃんには、大晦日にお節が届いたはずだから、また元気になるだろうけど、御神酒でアルコール依存症が再発しなければいいなと願うだけだ。
年末年始はヘルパーは来ないし、デイもないからお母さんのオムツは息子さんの仕事だよ、と励ました息子はヘルパーの手際を見て覚えたオムツ交換ができただろうか。
明日、職場にかかってくる電話が恐怖だ。