また義母の話。
「お父さんが出て行ったきり帰ってこないの。さっきまで座って話していたのに、ちょっと出てくると言って玄関に行ってから、帰ってこないんだけど、どこ行ったんだろうね」
数分おきに電話が来る。
そんなに夫のことを愛していたかというと、そうではない。むしろ、嫁いできたことを後悔していた義母なのになぜ夫の幻覚を見るのだろうか。
「ペコロスの母に会いに行く」でも、「さっき、父ちゃんが訪ねて来なったばい」という父ちゃんには、酒癖が悪くて苦労させられたはず。
昨年、担当していた人が数人亡くなられた。とっくの昔に夫が亡くなったり、入所してから数年会っていない人もいる。
「亡くなられたお父さん(お母さん)が夢に出てきた」とか「夢に出てきた」という認知症の人の配偶者は、褒められた人ではないことが多い。子供たちは、生きてるときは父ちゃんが死んでくれれば…と言ってたじゃないという人もいる。
仲が悪かった方が記憶に残っているのだろうか。それとも憎んでいた相手を許すために美化されて思い出すのだろうか。
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