2010年9月8日水曜日

晩夏

最初にお会いしたのは病院のベッドだった。ちょうどアナタのお誕生日でしたね。いくつになったのと聞いたら「33歳!」とおっしゃった。あの頃は寝返りができずに、お尻や背中や踵が床擦れで痛々しかった。自宅に戻って たくさんの介護者が出入りするのを 最初は嫌っておられた。ヘルパーさんにオムツもなかなか換えさせてくれなかったし、看護師さんもアナタのご機嫌を上手に取りながら床擦れの処置をしてくれてました。訪問入浴さんで半年ぶりにお風呂に入れた時は ご長男夫婦が仕事を休んでまで見守ってくれました。髭を剃って男前になったと奥様に褒められてピカピカの笑顔でした。そのうち少しずつ私たちにも慣れてくれて 玄関の呼び鈴に大声で「はぁ〜い!」と応えてくれるようになりました。福祉用具専門相談員さんと お弁当を持ってお花見に行く計画を楽しみにされてた。退院時は心配されていた白血球も2000をなんとかキープしながら それでも熱が出たら すぐに駆け付けて下さるドクターが心強かったよね。退院して7か月めに訪問リハのPTさんがケアチームに加わっ
て、さらにアナタは元気になっていった。床擦れも綺麗になって、寝返りを打てなかったのに 座れるようになり、車椅子に移れるようになり、立てるようにまでなった。あの時は嬉しかったね。あの時の「どうだ!」と言わんばかりのアナタの得意そうな顔を写真に収めておくんだったな。
今年の夏は暑くて暑くて 本当に食べなく..ううん、食べれなくなって 会うたびに痩せてしまったものね。白血球も1000まで減少して、ドクターに「できることをみんなでしてあげたらいいよ」と言われたとき、誰よりもアナタが一番頑張ってるんだ、って思った。
1年9か月の間、本当にありがとうございました。今年のコスモスが咲くより先に逝ってしまったから、一緒に見れなかったけれど。
帰るね、と挨拶すると「帰るんか..」と泣きそうな顔で言ってくれたことを ずっと忘れません。

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