病院に見舞いに行くと先週より手足が蒼くなっている。動脈硬化症が進行しているのか。病室には県外の娘と老齢の妻と本人の甥がいた。
娘が私に言う。「全く食べれなくなってるのよ」「食欲がないんですか?」「口に入れても飲み込みができないの」端座位は取れているが、本人は下を向いてうなだれている。どうやら嚥下が難しくなってきているらしい。
「お父さん、食べなくちゃ元気になれないよ」「ちょっとでも食べなさい」「栄養取れなかったらよくならないんだから」と矢継ぎ早に見舞いに来ている身内が声をかけている。食べたくても食べれない人に そんなことを言わなくても..と思う。
次に向かった利用者宅、これまた県外の娘が来ていた。利用者の夫は込み入った話しは理解できない。何か夫が話しをしようとすると娘が「その話しはあとで」と遮る。ケアプランに押す判を取りに娘が席を外したとき、夫は「風呂場の手摺りがあれば助かるんだが..」と言うので「浴室の壁によりますが、手摺りは介護保険で付けれますよ」と話した。娘が席に戻ったところで 夫が「介護保険で浴室に手摺りを付けられるらしいよ」と娘に言うと「またそれは今度にして。手摺りなんか後で要らなくなるんだから」と言い、「母に何かあったら父は施設を探すから手摺りを付けるとか考えてませんから」と言った。いい意見を言ったと一瞬輝いた表情をした夫はそれきり黙って下を向いてしまった。
県外にいるのに わざわざ親を見に来ている。それだけで頭が下がる思いがするのだから、「そんな言い方しなくても..お父さんの気持ちも少しは聞いてあげたら?」と言いたいが 言えるわけもなし...。
県外にいて普段は介護ができない娘と言うのは 往々にして「介護に対する理想」が高いため、理想とは違う実際行われている介護に不満が募るものだそうだ。【「介護現場がこじれる理由」より】
県外にいて..介護できない娘..私のことか(-_-)

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