義母から、Aちゃんがね、子供の所に行くんだって。お嫁さんが別居したものだから孫の世話をしないといけないんだって。13日には博多に行くからそれまでにお礼をしたいの。預けてある通帳から5万円を送って欲しいという。
あまりに具体的な話に、作話ではないかと疑いAさんに電話すると間違いなかった。Aさんは義母が自分の子供のように思っているから、私たちもお金の管理や日々の安否確認を頼んでいた。Aさんは、おばあちゃんの顔が認知症になる前のようにしっかりしていると言う。
Aさんにお世話になったからお礼をしないと。あの子も退職した上にお金がないからお金をあげたいとしっかりした声で義母は話すが、その前の日は、お茶の葉がなくなった。寝ている間に誰かが家に入ってきて盗っていったのだ。こんな怖い思いをするなら死んだ方がましだと暗い声で電話があったばかりなのに。
しっかりしないといけないという思いなのか、自分はAちゃんの親代わりなのだという責任感からくる役割意識なのか。義母の思いが記憶力を取り戻したのかと色々と考えてしまうが、はっきりしているのは子供代わりのAさんが居なくなった後、一人で暮らすことはもっと難しくなると言うことだ。介護保険は家族なして認知症が一人暮らしできるほど充実した制度でないことはわかっているから。

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