九〇歳を過ぎている前科二七犯の男性と仲良くなった。施設の職員から、いつの間にかお菓子や日用品をくすねて困っているというので、どうして手を出してしまうのか尋ねた。つい見えちゃうんだよね。誰も見ていないで置いてあるから知らないうちに手が伸びている。そうか、自動車を運転していてこのくらいの幅なら通るとわかるようなものかなと言うと、ちょっと違うという。同僚である警察官のOBは、通り過ぎる人を見ていると変な動きが見えるから、声を掛けるとヤバイ物を持っていたりするんだよねと言っていた。立場は反対だが職業柄の見方がある。
最初のおじいさんは車いすの生活なのにいつの間にか棚の上の物をポケットに入れている。きっと立位がとれるのだ。まじめにリハビリしたら歩けるようになるのにと、介護の視点で見ちゃうんだよね、私は。

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